村上春樹の小説に出てきた概念で、脳の思考回路を使ってプログラミングを作るという近未来的な設定がある。
今晩何食べようとか、あの映画どう思ったか、脳から無意識的に湧き出てくる感情は、実は一定の法則に基づいて生成されているという考え方だ。
もちろん、人の思考回路はとても複雑でしかも流動的であるから、一言で言い表すことはできない。時と状況によっては、真逆の選択肢を選ぶこともあるだろう。
でも表層的な感情や思考は一貫性がないように見えても、たしかにその根底には、同じ底流の川が流れてるかもしれない。
個人的には、自分の無意識の奥にある核に触れてるみたいで、おもしろい考え方だと思った。
そして、新しい考え方を身に付ける際にはどういうアプローチを取れば良いか考えた。
この思考システムという概念をあえて使うとすれば、新しい考え方を身につけるとは、その思考体系を今の自分の思考プログラムに組み込むことだ。
組み込むというのは、同じ情報を脳が認知した時に、そのような考え方を自然とできるようになるということである。
だがここは実際のプログラミングと違って、取り込むのに時間と労力を要する。
なぜなら思考回路とは、その人のこれまでの経験の蓄積から形成されるからだ。
ポケモンでもドラクエでも新しい技を覚えるためにはまずは経験値を貯めないといけない。これが成長の鉄則。
現実世界で経験値を貯めるとは、アウトプットすることで、言い換えると、なんらかの行動と結果を伴わせる必要がある。
ここまでやらないと新しい考え方も身に付かないし、自分も変えられない。
なので結局のところ、一番大事なのは新しい経験を積むための勇気と行動力。
そう、結局は行動力。