よきにはからえ

おもしろきこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり

久しぶりに風邪を引いてみた

久しぶりに風邪を引いた。ものすごい高熱で頭がぐわんぐんして悪寒が止まらなかったので、病院に行くと、案の定、コロナ陽性判定を言い渡された。解熱剤やら生薬やら一通り飲むと、容態は落ち着いて、発症二日目には仕事再開できるくらいまでは回復した。

とはいえ、薬の影響で頭がほわんほわんして、全く集中できなかったので、再開が早すぎたと少し後悔している。これもリモートワークの弊害のひとつだろう。5年前の世の中であれば感染リスクを考慮して、検討の余地なく休むことができた。でもリモートワークの場合、体調さえ良ければ、物理的には仕事ができてしまう。休むかどうかは本人の良心に委ねられている。現在、大口顧客への出向中の身なので、性善説を貫き通すしか道はなかった。。

これまでの状況を要約すると、コロナで微妙にしんどいが、仕事は休めなくて、外出もできない。いいことがひとつもなくて、悲観的になっていたのだが、ひとつだけ朗報があった。それは家事からの解放である。嫁からは、歩くウィルス核と思われているので、家内では徹底的な隔離政策が敷かれることになった。よって、朝の準備から、保育園の送迎、夜の片付け等の雑務の全てが期間限定で免除された。これまでどれだけ仕事が忙しくても、夫の家事免除を自ら"公認"することは決してなかった。それ故に、今のこの状況は歴史的瞬間とも言えよう。

そんなわけで、家事がなくなった分、ぽっかりとした自由時間が捻出された。夜の時間が丸々自由にできるのは、まるで独身時代に戻ったようだ。これといってやることはないのだが、この時間を持て余してる感じ自体が、久しぶりすぎて、これはこれでいいと思う。時間に気にすることなく時間を使える状態が、一番贅沢な時間の使い方なのだろう。

とはいえ、やはり病に伏していると、自然と気が滅入ってくる。子供達と遊ぶことは許されないし、外の世界との接触もシャットアウトされる。予定も全てキャンセルした。自分を置いて世界が進んでるような気がして、謎の焦燥感に駆られる。たしかに好きなだけ寝れるし、余暇の時間も取れる。でも、素直にそれを享受できないのは、対価を支払っていない感じがするからだろう。無償で与えられる快楽はなんとなく気持ち悪いのだ。

風邪のダメージが心身ともに思いの外大きいので、一刻も早く回復して、もとの馬車馬のような生活に戻りたい。