よきにはからえ

おもしろきこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり

娘の涙の理由

4歳の娘が隣でものすごい勢いで泣いている。

お気にのぬいぐるみを握りしめたまま、仁王立ちで、顔をぐしゃぐしゃにしながら、泣いている。

泣いている理由は、怒られたわけではなく、どこか痛いわけでもない。

 

寝る前のホームシアターを今日はもう遅いからだめだと言われたからだ。

 

休日の前の夜は、テレビの前に布団を敷いて、好きな映画を見ながら、眠りにつく。

この時間が4歳の娘にとって至福の一時

この時間を奪われることは、彼女からすれば、この世の終わりに近いくらい絶望的だ

そんな気持ちを訴えるように、力強く泣き続けている。

 

母親もさすがにかわいそうと思ったのか、少しだけよと根負けして、リモコンを渡した。こうして娘は勝利を掴み取った。

 

とても泥臭い戦法ではあるけれど、持ち前のバイタリティを存分に活かした、彼女らしい闘いであった。

 

よく諦めずに頑張ったね

 

と、映画開始直後に泣き疲れて寝てしまった娘に囁きかける。

 

そんな火曜の夜