よきにはからえ

おもしろきこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり

美味いカレー屋の要件

今日はオフィス近くの食べログ3.6のカレー屋にランチで行ってきた。

ランチと言えば聞こえはいいが、実態はただのぼっち飯だ。だが決して友達がいないわけではない。うちの部署の人はみんな在宅ワークが好きで出社しないだけだ。環境的にぼっち飯を強いれられてるだけであって、自分の人間性とぼっち飯にはなんの因果関係がないことを念の為補足しておく。

話を戻すと、ネットで調べると、そこがおすすめとみんな言ってるので、早速行ってみた。

古いオフィスビルの地下に降りて、ベトナム人が経営してる一面ガラス張りの床屋を通り過ぎて、台湾式マッサージの店を通り過ぎて、SL模型屋を通り過ぎた先にその店はあった。

だいぶ時間をずらして行ったのに、そこだけわずかにだが、列が残っていた。

店の中を覗いてみると、ビル地下っぽいコンパクトな空間にカウンターと2, 3席のテーブルがある。そして、そこに座っているサラリーマン達が一心不乱にカレーを食べている。

ほとんどがおっさんだが、中には女性もいるし、若い人もいる。そして、みんなぼっち飯だ。店の中に、店員以外の声はなく、スプーンと食器がカチカチ当たる音と、ゴクリと水を飲む音だけが、店内に空しく響いている。同じぼっち飯としては、安心して飯を食べられる環境であることは間違いない。なんとなく、店に受け入れらるてるような気がした。

それにしても、食べログ百名店とかに認定されるようなカレー屋は、得てして、こぢんまりとした店が多い気がする。

おいしいカレーを食べる時はぼっちじゃないといけないという暗黙の決まりみたいなものがあるのだろうか。友達とくるのは、彼氏や彼女と来るのはマナー違反なのだろうか。

ただ、そこで楽しくおしゃべりしながら食べてたら、明らかに浮いてしまうだろう。

ぼっち軍団から、黙って食えよと無言の圧力を受けるだろう。

店内のカチカチとゴクリの音から、彼らの話し声は不協和音認定されて、排除されてしまうだろう。

美味しいカレー屋は孤独で排他的で攻撃的なのだ。

最後に言い忘れていたが、カレーはすごく美味しかった。また来ようと思った。