よきにはからえ

おもしろきこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり

嫁がいいこと言ってる

嫁が息子(6歳)に怒っている。

ありふれた光景だ。原因はもうパターン化されている。

今怒られてるのは、勉強が上手くいかないパターンBであり、統計的には2番目に多いケースだ。ちなみに、1番多いパターンAは妹とケンカすることで発生する。原因は五分五分なのだが、立ち回りにおいて、妹の方が一枚上手なので、結果的には息子が怒られるという分析結果が(自分の中で)出ている。

そして、パターンB(勉強)に関しては、嫁の息子に対する当たりが相当厳しいと言わざるを得ない。

タブレットで勉強しているのだが、子供がわからないと、なんで、わからないのよ!って感じの怒り方をする。

こんなに感情をぶつけられたら、本人はやる気をなくすし、あー自分はできないんだなぁと思ってしまう。

自分も、なんで、できないんだ!と感情的に罵るタイプのパワハラを受けた経験があるので、なんとなく気持ちがわかる。

現に息子は、怒られてると、段々と目から生気が失われ、最後はブチ切れるか泣き出す。

あまりに酷い時には、自分が止めに入るのだが、それでも嫁の感情は収まらず、じゃあ私はどう接すればいいのよ!って言い捨て、部屋から出ていく。そうなったら、取り残されて泣いてる息子をなだめて、隣でうんち行きたいと言ってる娘をトイレに連れて、事態の収拾を測る。それはもうカオス的な状況だ。

だから、子供が勉強につまづいているのを見ると、ざわざわと不穏な空気が自分の中に流れてくるのだ。

今回も案の定、息子が問題に間違えると、嫁は早々気づいて、台所から出てくる。そして、悩んでる息子をしばらく伺った後に、こう言った。

「頭で考えていても、答えはでない。手を動かしなさい。手を動かしてたら、少しづつ、わかってくるから」

たしかにその通りだと思った。

嫁の言葉に、戦々恐々と身構えていたのだが、期待を見事に裏切られた。もちろんいい意味でだ。

ただ残念ながら、息子は、6歳児とは思えない渋い顔をしてる。間違いなく、今の言葉の重さを理解してないだろう。だが、自分の心の琴線にはよく響いている。

これは決して勉強だけでなく、生きる上で、必要な考え方だ。

頭でっかちな自分はよく無限思考ループに陥る。

何か決めないといけないことがあって、じゃあどうしようかと考えるのだが、そこから抜け出せなくなる。最初は目的に沿って考えているのだが、途中から思考が脱線して、本筋から離れてどこか飛んで行ってしまう。だから、一向に結論に帰結することはない。もはや考えているのかどうかもわからない。

現実は何も変わらず、悪戯に時間だけが消費されてく。

こんな症状を仕事や日常生活で自覚してるもんだから、嫁の何気ない一言は、心に響いた。

嫁には感謝してる。

だから、楽しみにとっておいた、カルビーの新作チョコポテチの3分の2を、勝手に食べたことも、今回は特別に目を瞑ろう。