よきにはからえ

おもしろきこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり

経営学の手法でセルフマネジメントしてみた

主に大企業の会社経営において、限りある経営資源(つまり、金とか人材)をどの事業にいくら配分するか定期的に意思決定を下す必要がある。

この意思決定で、会社の舵取りをしてるといっても過言ではないため、適当に作ることは許されない。緻密で堅牢なロジックを積み上げて、誰もが納得できる采配を下す必要がある。ちなみに適当にやると、後々、善管注意義務違反で株主から訴えられる。

そこで、経営者は、闇雲にやるのではなく、過去の偉い学者が考案したフレームワークなるものを使用する。これを使えば、不思議とちゃんとやってるように見えるからだ。そのフレームワークのひとつで、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントという、長くて胡散臭い必殺技のようなものがある。

これは、事業には導入期→成長期→成熟期→衰退期という流れのライフサイクルがあり、会社の持ってる事業をこの4象限で捉える方法だ。

・導入期: 投資が実るかわからない段階

・成長期: 事業が軌道に乗ってきて、金がかかるが、成長余力のある段階

・成熟期: お金を生み出す打ち出の小槌。成長はしないが、これ以上の投資は不要

・衰退期: 事業が縮小する段階

会社は各事業をこの4象限のどれかにマッピングした上で、成熟事業で回収したお金を、成長事業に投資するような流れで資源配分を行う。

ここまでが経営学の教科書に載ってる内容だ。

そして、僕はこの考え方を、セルフマネジメントにも応用できるのでは、と帰りの電車の中で思いつき、嬉々たる思いでここに書き留めている次第だ。

 

我々も企業と同様、限りある時間を投資している。そして投資された時間は、なんらかの形で成長に寄与しているはずだ。

例えば、仕事でスキルを磨くこと、勉強して資格をとること、絵を描いて感受性を養うこと、本を読んで新しい知識を得ることなど、目には見えない経験という形で、体のどこかにそのノウハウが蓄積されている。

そして、このサイクルは日常の一部に含まれているため普段意識することはないが、必殺プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントを使えば、今の自分は有限資源である時間をなににどれくらい投資しているかを体系的に捉えることができる。

例えば、自分の場合だと、こんな感じだ。

・ブログ: 導入期 とりあえず、やってみてる感じ。実るかどうかは不明

・仕事: 成長期 まだインプットすることは多いが、一定の手応えを感じている。

・読書: 成長期 時間があれば読書。読んだ分だけ、なにかが蓄積されてるような気がする

・ゲーム: 衰退期 一昔前まではやってたが、もう飽きた

ちなみに1年くらい前までは、仕事に時間を全振りしていたので、当初と比べるとだいぶバランスのよい配分になってきた。

 

まぁ、ちょっと強引ではあるが、だいたいこんな感じだ。投資先は、時の経過とともに、変遷するものと思われるので、その際には、もしかしたら、このライフサイクルで捉える考え方が意思決定に役に立つのかもしれないし、立たないかもしれない。