よきにはからえ

おもしろきこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり

引っ越しました

私事ではあるが、最近家を建てた。

さいたま市の住宅街の一角に、昨年から秘密裏に建設を進めていたのだが、今年8月にようやく完成した。これで晴れて一国一城の主になると同時に、身の丈を大幅に超えた多額ローン債務者になった。

これから毎月、快適な住まいの対価として、腹に穴が開くレベルのローン返済が始まる。僕が選択した元利均等支払では、当初支払額の内訳の半分以上は利子である。ごっそり徴収されているように見えて、実はほんの少ししか元本は返済されていない。返済シミュレーションを見たときは、闇金ウシジマくんの利子しか払えない多重債務者が想起されたが、毎月の給料を考えると、泣く泣く受け入れるしかなかった。

とはいえ、やはり新築に住んでみると、あらゆる面で、生活水準がレベルアップし、尊い犠牲に見合う対価は得られていると、今のところは感じている。

具体的に何点か挙げるとすれば、まずは動線がスムーズになった点だろう。前住んでいたマンションでは、朝の支度をする際に、寝室、洗面所、リビングを行ったり来たりして、慌ただしい感満載であった。だが新居の設計上は、工場のベルトコンベアのような一通の動線がセットされており、1Fの寝室で起床→洗面所で顔を洗う→クローゼットで着替える→2Fリビングに上がって朝食、という一連の流れで支度が完結できる。無駄なく機能的にひとつひとつの工程を終わらせられるというのが、何気に気持ちいいもので、動線が整理されたおかげで、殺伐とした朝のストレスは激減した。

もうひとつ快適になった点は、居住空間が広くなり、家族間の物理的・心理的な距離感も広がったことだろう。かつては、互いの生活圏が干渉しまくりで、そこらへんで、内乱が起こっていた。子供の声はうるせぇは、常に嫁が視界でイライラしてて、僕も仕事に集中できず、軽いディストピア状態であった。だが部屋が広くなると、生活の干渉がちょうどいい具合に減ってくれる。もちろん、争いが完全になくなるわけではない。だが互いの顔を見なくていい時間というのは、ずっと一緒にいる以上、ある程度必要で、広い住空間はそれを可能にしてくれる。

そして大宮という町自体も意外と気に入っている。埼玉と言えば、その凡庸でぱっとしない存在感のせいで、残念なイメージが先行していた。そのせいで、僕の周りでも、なぜか埼玉に移り住んでくる人はいない。特段の理由もなく、候補にすら入らないらしい。ファーストインプレッションは恐ろしい。

だが実際住んでみて思ったのは、駅周りはデパート、百貨店が充実しており買い物にはまず困らない。繁華街は若干のアンダーグラウンド感はあるものの、手頃な価格で飲み食いできる。そして少し駅から離れれば、川や田んぼなどの自然が溢れていて、都会の喧騒から離れることができる。実は非常にバランスの取れた住みやすい街であるのだ。

書斎オープン記念に、念願のMy PCを購入したので、今更ながら、早速写真投稿をやってみた。なんとなく、タグもつけてみた。新しい可能性が生まれるといいな~