よきにはからえ

おもしろきこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり

月曜23時の京浜東北線

久しぶりにこの時間の電車に乗った。

月曜の夜やと言うのに、車内はガヤガヤとうるさい。酔っ払いが多いからだ。

特にうるさい3人組の輩が目につく。

年齢は30代前半くらい。周りに自分たちの存在を誇示しているかのように、わざとらしくうるさい。内容は耳に入ってこないが、不快感だけは耳に残る。

これは完全に自分の妄想だが、きっと彼らは気が大きくなっている。同世代として言わせてもらうと、この年代は意外と悩む年頃だ。仕事もそれなりに経験して、人によっては家庭ももって、良くも悪くも地に足がついてくる。そして、20代に描いていた理想と、現実の小さい自分とのギャップにもがき苦しむ。そんな時、仲間と飲むと、みんな優しくなる。同じ境遇の人が多いから、共感してくれる。みんな、お前はよく頑張ってるよと肩を叩いてくれる。共感してなんぼ。中身は女子高生やと思ってもらって、差し支えない。

そんな感じで互いを慰め合って、程よく酒が入るから、気が大きくなってしまうのだ。普段は抑圧された承認欲求が、体内のアルコールと混ざり合って、体中を駆け巡っている。きっと彼らも自己を保つのに必死なんだろう。

そう考えてると、さっきまで自分の中にあった不快感みたいなものは、気がついたら、消えていた。そして、その3人組もいなくなっていた。

所詮、人の感情はそんなものだ。

複雑そうに見えて、単純で刹那的。ちょっと視点を変えるだけで、泡のように消えてしまう。

だから、負の感情が生じた時は、意図的に視点を変えてみるとよい。すると、少しだけ人生がうまく行くかもしれない。

酔っ払ってると、筆が進む。クオリティは別として。でも大事なのは、前に進むことではなかろうか。