よきにはからえ

おもしろきこともなき世をおもしろく、住みなすものは心なりけり

GWの鎮魂歌

GWもいよいよ今日で終焉を迎える。

幸いにも、9連休フルで休みを取れたので、家族でキャンプ行ったり、テニスしたりして、余すことなく休みを謳歌できた。

お日柄にも恵まれたため、外に出るだけで、気持ち良かった。心地よい薫風に当たると、日々の疲れが洗い流され、身も心も浄化されているような気分になれた。

だがひとつ問題がある。この休みはいつかは終わり、唐突に現実に引き戻されるという事実だ。徐々に現実に慣れさせるプロセスがあればよいのだが、そうではない。休み明けは忙しいので、いきなりフルスロットルだ。休みと現実の境界は、断崖絶壁のような非連続的な形をしていることが想起される。

従って、休み期間中は、爽快な気持ちとは裏腹に、現実離れしていることに対する焦燥感も同時に積もっていく。いつか現実に戻る時に、麻薬の更生プログラムのように、大きな苦痛を伴うリハビリが必要となる。その時の精神的苦痛を思い浮かべては、休みの時から、憂鬱な気持ちになるのだ。

この焦燥感は、GWの後半当たりから、顕在化し始める。休みを楽しんでいる感情と、楽しんだ分だけ、後でつけを払わないといけないという危機感がブレンドされ、ほろ苦いコーヒーのような感情が出来上がる。そして、GWが終わりに近づくにつれて、苦味の配分が大きくなり、最後の日の夜-つまり現在-においては、純度100%の漆黒が出来上がる。鏡を見てないが、きっと通夜のようは顔して、記事を執筆しているのだろう。

ちなみに、子供たちは、最後の最後までお祭り気分で、はしゃいでいた。彼らは、危機察知能力が未熟が故に、まだ迫り来る現実の恐ろしさをわかっていない。

そして、明日の早朝に叩き起こされて、初めて現実に引き戻されたことに気づく。きっと、感情的に受け入れることができず、泣いたり怒ったりして激しく抵抗する。その皺寄せを、もろに受けるのは、朝の送迎担当の自分だ。ただでさえドタバタしている状況で、彼らの負のエネルギーを受け止めないといけない。しかも明日は雨予報。凄惨な光景が脳裏をよぎる。

今から言っても仕方ないが、長期休暇と言えど、むやみやたらと長めの休みを取ればいいものではないのだろう。最初は休みを新鮮な気持ちで楽しめても、徐々にその状況に慣れてしまう。そうなると、楽しさも惰性的な感じになる。そして何より、現実に戻る時に苦労する。今の自分のような状況だ。

だから、現実とは付かず離れずの状態を保ったままでいれるくらいの休みがちょうど良い。今回のGWで言えば、5/1,2出社くらいのペースだ。9連休と言えば、当初は勝ち組の部類だったはずだが、今や状況は完全に逆転している。手札が強い大富豪が革命を食らったような状態だ。

さて、そろそろ明日を迎える、心の準備ができたので、布団に入ります。

アディオス アミーゴ